UP (不飽和ポリエステル)樹脂基本情報
UP(不飽和ポリエステル)樹脂の物性の基本情報について
UP樹脂: 脆さを繊維で強化したFRPの代表的樹脂
UP 不飽和ポリエステル樹脂の略号・名称

- 略号UP (Unsaturated Polyester Resin )
- 名称不飽和ポリエステル樹脂
UP不飽和ポリエステル樹脂の化学構造
その分子の主鎖中に -C=C- 不飽和結合と、-COO- エステル結合を持つポリマー「不飽和ポリエステル」という。
一般的な不飽和ポリエステル樹脂の物性の特徴
不飽和ポリエステル自身での重合性が低いため、ビニルモノマー(スチレンなど)を利用し、共重合させて硬化させる。 従って、不飽和ポリエステル樹脂としての製品は、このような共重合製品となる。
また、エンプラとしては、ガラス繊維に不飽和ポリエステルを含浸させ、繊維強化プラスチック FRP として出回っている。
- 機械的強度
- 単独では、脆く使い物にならないが、一般的にFRPとして用いられるため、機械的強度はかなり強くなる。
- 熱的性質
- 一般の不飽和ポリエステル硬化物は、多量にスチレンモノマーを含むため、他の熱硬化性樹脂よりも熱的性質は劣る。(連続耐熱110~140℃) 耐熱性を高めるため、他のモノマーを使用して200℃を超えるものもある。 耐寒性は、-60℃以下でも問題ない。
- 電気的性質
- 耐アーク性に優れるが、FRP材では絶縁材料には向かない。
- 化学的性質
- 酸に強く、アルカリに弱い。(酸化性酸を除く) 高温水中で加水分解を起こし劣化する。アルコール類や炭化水素などの溶剤には強く、チレンモノマーを含むUPは、PS用溶剤には侵される。
- 難燃性 完全な難燃化は難しいが、水酸化アルミニウムなどの難燃化剤を添加する。
- 耐候性 他の熱硬化性樹脂と同様に優れるが、屋根用FRPにはUV吸収剤を配合。
上記掲載情報は、内容を保証するものではありません。 参考程度の情報としてご利用ください。 設計・製造の際は、各材料メーカーより直接情報を入手されることをお勧めいたします。
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