PEEK(ピーク)樹脂の物性基本情報
PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂の物性の基本情報について
PEEK樹脂: スーパーエンプラの代表格、バランス良い物性
PEEK樹脂の略号・名称
- 略号PEEK (Poly Ether Ether Ketone)
- 名称ポリエーテルエーテルケトン樹脂
- 呼称「ピーク」と呼ばれる。
- 外観自然色: 灰色、または薄茶かかった灰色
PEEK樹脂の化学式
ベンゼン環がパラ位置でケトンとエーテル結合で連結した構造。
PEEK樹脂の物性の特徴
高い耐熱性、機械特性を備え、エンプラの性能を上回るスーパーエンジニアリングプラスチックであり、先端分野を支える重要材料。
ケトン系プラスチック、更にスーパーエンプラの代表格である。 高価であるが、耐熱性、機械的強度、耐薬品性など優れた熱可塑性高機能プラスチック。 ICI社(英)が1978年に開発。
長所
- 抜群の耐熱性、高温特性
- 連続使用温度約240∼250℃、融点は334℃で熱可塑性樹脂で最高ランク。
荷重たわみ温度(荷重1.86MPa)は、非強化品で152℃、炭素繊維強化グレードでは20%で285℃、30%で315℃。 - 高い機械的強度
- 強靭性であり、耐衝撃性はPES(PESU)に匹敵する。 引張、クリープ、疲労(PIと同等)、磨耗(PAと同等)に強い。
繊維強化グレードは、更に強度が増す。 - 耐薬品性に優れる
- 濃硫酸には溶解するが、高温時において、その他の酸、アルカリ、有機溶媒にも耐える優れた耐食性をもつ。
- 燃えにくい、発煙しにくい
- UL94V-0が認定されている。燃焼時、刺激性のガスは発生せず、煙も非常に少ない。
- 耐スチーム性
- 高温水蒸気下でも加水分解を起こさない。
- 耐放射線性が良い
- 放射線による劣化が起こりにくい。1000Mradまで絶縁性を保持。
- 優れた電気絶縁性
短所
- 高価である。
加工性の特徴
マシニング加工(機械加工)、成形、溶接加工可能。 曲げ加工×。
上記掲載情報は、内容を保証するものではありません。 参考程度の情報としてご利用ください。 設計・製造の際は、各材料メーカーより直接情報を入手されることをお勧めいたします。
お取り扱い可能なものとできないものがあります。 お手数ですが都度お問合せ下さい。