プラスチックの基礎知識

PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂基本情報

PPS(エービーエス)樹脂の物性の基本情報について

  1. HOME
  2. プラスチックの基礎
  3. 物性
  4. 熱可塑性樹脂
  5. スーパーエンプラ
  6. PPS

PPS樹脂: 耐熱性・耐薬品性・寸法安定性に優れる樹脂

PPS樹脂の略号・名称

PPS 材料
  • 略号PPS (Poly Phenylene Sulfide)
  • 名称ポリフェニレンサルファイド樹脂
  • 呼称一般的に略号そのまま「ピーピーエス」と呼ばれる。
  • 外観自然色: 薄い灰色~薄茶灰色

 

PPS樹脂の化学式

(C6H4S)n

PEEK樹脂の構造式

ベンゼン環に硫黄が結合してつながったポリマー(重合体)。

 

PPS樹脂の物性の特徴

架橋型と直鎖型がある。古くからの架橋型は、耐熱性・耐クリープ性に優れるが、茶色で固く脆い。一方新しい直鎖型は、白く引張・曲げ強度は架橋型の10倍程度もあるが、耐熱性・耐クリープ性は架橋型に劣る。

非強化製品は脆いが、充填剤や強化剤で強化したものは強く、耐熱性もあるため、スーパーエンジニアリングプラスチックとして用いられている。

長所

耐熱性、高温特性に優れる
280~290℃で溶融。 荷重たわみ温度(1.85MPa)は260℃以上(ガラス繊維入)。 連続使用温度は240℃(無機質充填剤入)。熱分解温度430℃。ガラス転移温度88~92℃。
高い機械的強度
広い温度帯で高い引張強さ、剛性がある。
耐薬品性に優れる
200℃以下でPPSを溶かす薬品は無い。 一部の酸に影響を受けるが、多くの溶剤、酸、アルカリに対して変化しない。
寸法安定性
結晶性であり、吸水性が極めて低く、耐薬品性も良いため、寸法安定性に優れる。
燃えにくい
難燃剤を含まずにUL94V-0を満たす不燃性であり、低発煙性である。
優れた電気絶縁性
100℃、湿度80%でも高い電気絶縁性を示す。

短所

非強化タイプは、脆い
無充填グレードは、耐衝撃性が弱いため、ガラス、炭素繊維、無機質充填剤などにより強化されたものを用いる事が多い。

加工の特徴

機械加工、溶接は良好。接着、曲げ加工×。

 


掲載情報のご利用について 
上記掲載情報は、内容を保証するものではありません。 参考程度の情報としてご利用ください。 設計・製造の際は、各材料メーカーより直接情報を入手されることをお勧めいたします。
プラスチック材料の取り扱いについて
お取り扱い可能なものとできないものがあります。 お手数ですが都度お問合せ下さい。
  • 図面作成サービス
  • プラスチック加工サービス
  • 受付可能なCADデータ