PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂基本情報
PPS(エービーエス)樹脂の物性の基本情報について
PPS樹脂: 耐熱性・耐薬品性・寸法安定性に優れる樹脂
PPS樹脂の略号・名称
- 略号PPS (Poly Phenylene Sulfide)
- 名称ポリフェニレンサルファイド樹脂
- 呼称一般的に略号そのまま「ピーピーエス」と呼ばれる。
- 外観自然色: 薄い灰色~薄茶灰色
PPS樹脂の化学式
(C6H4S)n
ベンゼン環に硫黄が結合してつながったポリマー(重合体)。
PPS樹脂の物性の特徴
架橋型と直鎖型がある。古くからの架橋型は、耐熱性・耐クリープ性に優れるが、茶色で固く脆い。一方新しい直鎖型は、白く引張・曲げ強度は架橋型の10倍程度もあるが、耐熱性・耐クリープ性は架橋型に劣る。
非強化製品は脆いが、充填剤や強化剤で強化したものは強く、耐熱性もあるため、スーパーエンジニアリングプラスチックとして用いられている。
長所
- 耐熱性、高温特性に優れる
- 280~290℃で溶融。 荷重たわみ温度(1.85MPa)は260℃以上(ガラス繊維入)。 連続使用温度は240℃(無機質充填剤入)。熱分解温度430℃。ガラス転移温度88~92℃。
- 高い機械的強度
- 広い温度帯で高い引張強さ、剛性がある。
- 耐薬品性に優れる
- 200℃以下でPPSを溶かす薬品は無い。 一部の酸に影響を受けるが、多くの溶剤、酸、アルカリに対して変化しない。
- 寸法安定性
- 結晶性であり、吸水性が極めて低く、耐薬品性も良いため、寸法安定性に優れる。
- 燃えにくい
- 難燃剤を含まずにUL94V-0を満たす不燃性であり、低発煙性である。
- 優れた電気絶縁性
- 100℃、湿度80%でも高い電気絶縁性を示す。
短所
- 非強化タイプは、脆い
- 無充填グレードは、耐衝撃性が弱いため、ガラス、炭素繊維、無機質充填剤などにより強化されたものを用いる事が多い。
加工の特徴
機械加工、溶接は良好。接着、曲げ加工×。
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