光造形・3Dプリンティング
高速試作、他の方法ではできない複雑な形状などが可能です!
市場での製品サイクルが短くなった昨今。 製品開発も超短期化が求められ、特に試作は直ぐ欲しいというニーズが高まっています。 この様な要望にお応えできるのが、光造形をはじめとする高速積層造形です。
1991年、KDAは業界の先陣を切って光造形を導入しました。 従来一般の「材料を切削して製造する」方法とは異なり、「3次元データを元に、光と樹脂を反応(硬化)させ、忠実に積層して造形する」という新しい方法。 今、この様な積層造形は様々に進化し、これらが高速試作を行う事から「ラピッドプロトタイピング」、 またプリンタ技術を三次元に応用した技術でもある事から「3Dプリンティング」などと呼ばれています。
光造形とは?
光と光硬化性樹脂を反応させ、積層して造形。
光造形とは液状の光硬化性樹脂をレーザー光により、 一層ずつ硬化させ、重ね合わせていく工法(積層法)です。
具体的には、左下画像の様に、液状の光硬化性樹脂プールの表面にレーザー光を細かく照射して硬化させます。一層目を硬化させた後、プール中のベッドが少し下に降り(※1:積層ピッチについて)、二層目を一層目に乗せる形で硬化させます。この操作を目的の形状ができるまで行います。
光造形を行うプログラムは、3次元CADデータをスライスし、そのひとつ一つが光造形で各層を形成するためのデータとして用いられます。
光造形のメリット
工程が簡潔で早い!
3次元CADデータと光造形機があれば即製造可能です。
極めて簡潔な工程で、3次元モデリングと造形に要する時間で完結。 一度機械にデータを投入してスタートすれば、完成まで無人で稼働するため、人力に頼る他の加工に比べとても早く納品できます。 即、形状を確認したい試作等の場合、複雑な形状であればある程、その効果は絶大になります。
CADデータに忠実、拡縮・応用も容易!
例えば、NC工作機械であったとしても加工材のセット面を変更する作業が伴い、その際に精度を落としたり、間違ってしまう危険性があります。 しかし光造形では、一度セットすれば完成までCADに忠実に一切を行うため、安心です。
また、同じ3次元データを拡大・縮小する、反転させる、形状の一部を変更する、など、CAD上でモデリングの変更を行う事は容易です。 従って、形状変更に極めて柔軟に対応する事が可能です。
他の方法では不可能な形状を作る事が可能!
例えば切削加工では、材料を削るための工具が入るところまでしか加工できません。曲がった穴、複雑な中空、その他アンダーカット形状などがそうです。 また自由曲面、鋭い角などは、加工が容易ではありません。 しかし、光造形では、この様な形状が問題なくできます。
左画像の頭蓋骨モデルは、内部構造も緻密にできており、他の方法で製造する事は不可能です。これは、医療用にスキャンした実際の人体の3次元データを元に、光造形で作ったものです。
光造形の制限事項
材料(光硬化性樹脂の種類)
プラスチックには沢山の種類がありますが、光造形では材料が限定されてしまいます。 弊社では殆どエポキシ系の樹脂を用います。(※よって試作目的に使用する場合が多い。) 光造形の樹脂と物性
精度(積層ピッチ)
積層ピッチは、一般的に0.1mmから0.2mm程度です。 微細モデル専用機では、0.05mmも可能です。
同じ形状でもピッチが細かくなると時間もかかります。 ご希望の用途、精度、ご予算によってご提案致しますのでお気軽にご相談下さい。
大きさ
最大ワークサイズ600x600x500となります。 大きなモデルに関しては幾つかのパーツに分けて造形し、貼り合せる方法もあります。先ずはご相談下さい。 0.3mm以下の微小なものは不可です。 また、積層ピッチに限界(上記)がありますので、微小なものには向かない場合があります。
光造形の用途
一般の家電製品など量産する製品の試作品、自動車等のエンジン開発などの試作品、医療分野における モデル(臓器・骨格)など、幅広い分野で用いられています。